本記事では、仮想通貨のUSDTについて基本的な概要や保有するメリットデメリットなどを解説します。
他のステーブルコインとの違いについても解説するため、USDTが優れているところと劣っているところが一目で理解できます。
USDTとは?基本概要
USDT(Tether USD)は、米ドルに1 : 1で価値を連動させることを目的に設計されたフィアット担保型ステーブルコインです。
ステーブルコインとは、暗号資産(仮想通貨)の価格変動を抑えるために法定通貨や資産を裏付けに発行されるトークンのことです。
他の仮想通貨と違い、価格変動がほぼ±0です。
2025年4月時点でUSDTの時価総額は1,440〜1,500億ドル規模に達し、ビットコイン・イーサリアムと並んで暗号資産市場の「基軸通貨」として機能しています。
取引量の圧倒的な多さにより、USDTは中央集権型取引所(CEX)と分散型取引所(DEX)の双方で主要な流動性源となっています。
法定通貨を直接扱えない地域でも「デジタル米ドル」を瞬時に送金できる点が評価され、個人から機関投資家まで幅広く利用されています。
さらに、USDTはEthereum(ERC-20)、Tron(TRC-20)、Solanaなど複数チェーン上で発行されており、ユーザーは用途に応じて送金手数料や決済速度を選択できます。
こうしたマルチチェーン展開が「ネットワーク効果」を生み出し、USDTがステーブルコイン市場でデファクトスタンダードに近い地位を確立する追い風となっています。
発行の背景と仕組み
Tether社は2014年、暗号資産取引所で即時決済が可能な「ブロックチェーン版米ドル」を提供する目的でUSDTの発行を開始しました。
発行量はユーザーから預かった米ドル相当額に連動し、Tether社が保有する準備資産(Reserves)によって裏付けられます。
準備資産とは、発行済みUSDTを100 %以上カバーする形で保有される現金同等物や米国短期国債、リバースレポなどの安全資産のことです。
USDTは各チェーンの標準トークン規格(ERC-20、TRC-20 ほか)でミント(発行)・バーン(償却)され、流通量はTether社サイトのTransparencyページで日次更新されています。
ユーザーは規定のKYC手続きを経てTether社にUSDTを償還請求でき、1 USDT ≒ 1 USDで換金可能というスキームが価格安定の根幹を支えています。
2024年以降、Tether社は四半期ごとの外部監査付き「アテステーション報告書」を公開し、約1,200億ドル相当の米国短期国債や現金同等物を準備資産として保有していることを示しています。
こうした開示体制の強化は、かつて指摘されていた「監査不足」への対応策として市場の信頼感を高める一助となっています。
USDTは安全?準備資産と透明性をチェック
安全性を評価するうえで最も重要なのは、準備資産の内容と換金プロセスの実効性です。
Tether社は2025年Q1時点で準備資産の大半を米国短期国債とリバースレポで構成し、常に超過担保を維持していると公表しています。
これは、短期市場で即時換金性が高い資産に集中させることで「取り付け」に耐え得る流動性を確保する狙いがあります。
透明性面では、会計大手BDOによる四半期アテステーションに加え、チェーン別USDT残高をオンチェーンデータで照合できる仕組みが採用されています。
オンチェーンとは、ブロックチェーン上に記録されたデータを指し、誰でも検証できる公開台帳です。ユーザーは流通量と準備資産の差分を日々確認できるため、従来よりも情報非対称性が縮小しました。
もっとも、開示は「四半期ごと」でリアルタイムではありません。競合のUSDCが月次報告を行う中、「情報の更新頻度が少ない」との批判は依然残っています。
そのため、Tether社は将来的なリアルタイム監査の導入や担保内訳のさらなる詳細公開を検討していると表明しています。
過去のデペグ事例
USDTは理論上1 USDで安定しますが、極端な市場ストレス時にはデペグ(ペッグ外れ)が発生することがあります。
デペグとは、本来1 USDであるべき価格が乖離する現象です。
2024年12月には欧州MiCA規制への対応遅延が材料視され、一時0.995 USDまで下落しました。
このとき価格乖離が短時間で解消された背景には、裁定取引業者(アービトラージャー)がUSDTを割安で買い集め、Tether社への償還を通じて1 USDを回収する動きがあったためです。
つまり、償還スキームが機能している限り、価格は自然に1 USDへ戻るメカニズムが働きます。
しかし、準備資産の質や開示遅延に対する懸念が高い局面では、乖離幅が拡大・長期化するリスクも指摘されています。
投資家はデペグ発生時の背景要因を確認し、償還の混雑や流動性不足がないか慎重に見極める必要があります。
USDTの危険性は?想定リスクと対策
USDTを保有・利用するうえで無視できないのがカウンターパーティーリスクです。
USDTの裏付け資産はTether社が一元管理しているため、同社が資産凍結や送金停止を行った場合、ユーザーは法定通貨への償還が困難になる可能性があります。
次に挙げられるのが、短期的なデペグリスクです。
市場心理が悪化し大口換金が殺到すると、USDTが1 USDを下回る事態が起こり得ます。
Tether社は短期米国債など即時換金性の高い資産を増やしていますが、「想定最大流出額」に対して十分かどうかは議論が分かれています。
最後に、マルチチェーン展開ゆえのスマートコントラクトリスクが存在します。
特定チェーンのUSDTコントラクトにバグやハッキング被害が発生した場合、Tether社は該当トークンの凍結措置を取ることがありますが、必ずしも即時・全面的な救済が行われるわけではありません。
ユーザー側でも複数チェーンに資産を分散し、スマートコントラクトの監査状況を確認するセルフディフェンスが不可欠です。
システム上の脆弱性はある?
マルチチェーン対応により、USDTは各チェーンのブリッジコントラクトやカストディコントラクトを経由します。この構造は利便性を高める一方、ブリッジを狙った攻撃やコントラクトバグのリスクを抱えています。
過去には他トークンでブリッジ流出事件が相次ぎ、ブリッジとはチェーン間でトークンを転送・ロックする仕組みのことで大きな攻撃対象になりがちです。
Tether社は重大事案が起きた場合に該当アドレスをブラックリスト化し、被害拡大を抑制するとしていますが、ユーザー資産が完全に守られるわけではありません。
特に、USDTをDeFiプロトコルの担保に使う場合、スマートコントラクト保険に加入するか、複数銘柄に分散してリスクヘッジする手法が推奨されます。
標準トークン規格であるERC-20やTRC-20自体の成熟度は高いとはいえ、各チェーン独自のアップグレードやハードフォークが予定外に発生すると、トランザクション再整理や一時送金停止が起きる懸念も残ります。
ネットワークアップデートのアナウンスを適時確認し、重要送金は混雑時間帯を避けることでリスクを軽減できます。
もしデペグすると何が起こる?
デペグが起きると、取引所ではUSDT建て資産の評価額が瞬時に変動し、証拠金計算や清算エンジンに影響が及びます。特にレバレッジ取引を行っている場合、USDTの下落によって証拠金不足に陥り、強制ロスカットされる可能性があります。
また、DeFiレンディングでは担保価値が目減りし、清算ボットがUSDTポジションを片端から売却する連鎖が発生しかねません。
こうした負のスパイラルを防ぐため、主要プロトコルはUSDT担保比率や貸借上限を保守的に設定し、清算ペナルティを高めに設計しています。
ユーザーにとっての実践的な対策は、USDTとUSDC・DAIなど他ステーブルコインをバランス良く保有し、緊急時にはより安定している銘柄へ一部スイッチできる余力を持つことです。加えて、デペグ時の裁定コスト(送金手数料・入金反映時間など)を事前にシミュレーションし、実行可能な換金ルートを確保しておくと安心です。
USDT購入のおすすめ取引所
USDTを購入する手段は大きく分けて中央集権型取引所(CEX)と分散型取引所(DEX)の二系統があります。
2025年時点で取引高トップのCEXはBinance、OKX、Bybit、Coinbase、Krakenの5社で、これらで全体の約7割を占めるとする業界調査もあります。
CEXのメリットは、法定通貨入金が容易で板が厚いこと、そして初心者でもUIが分かりやすいことです。デメリットは、KYC(本人確認)や出金制限がある点と、取引所自体のリスクを背負う点です。
一方、DEXではウォレット接続だけでUSDTを取引でき、自分の鍵を自分で管理するセルフカストディの安心感があります。ただし、オンチェーン取引ゆえにガス代やスリッページ管理が必要で、スマートコントラクトリスクも伴います。
DEXを使うメリット
以下にDEXを利用する主なメリットを示します。
- 自己保管型で中央集権リスクを回避できる
- プール流動性が高いペアではスプレッドが極小
- トークンリストに載っていない銘柄もP2Pで取得可能
- 取引履歴がオンチェーンで透明
- 24時間いつでも即決済が可能
DEXはインターネットさえあれば国境・営業時間の制約なく利用できるため、規制が厳しい地域の個人投資家にとって生命線となるケースがあります。
Curveの3pool(USDT・USDC・DAI)やUniswap v3の集中流動性プールは、USDT取引の実質的な価格決定点としても機能しています。
USDTのメリット・デメリットまとめ
USDTの特性を一目で把握するため、まずは結論を整理します。
- メリット = 流動性・低コスト送金・多チェーン対応・市場の受容度
- デメリット = 中央集権リスク・透明性の限界・規制対応の不確実性
以下で項目ごとに詳しく見ていきましょう。
USDTのメリット
ポイントを箇条書きで整理します。
- 圧倒的な出来高と板厚
- TRC-20版など送金手数料が極小
- 複数チェーン発行で選択肢が広い
- DeFi・NFT・ブリッジなどエコシステムが最大級
- 24時間グローバルに価格発見が機能
USDTは1日の総取引量が暗号資産市場全体の30 %超を占める日もあり、大口約定でもスリッページが小さく抑えられます。アジア・新興国ではTRC-20版USDTがモバイルマネーのデファクトスタンダードとなり、わずか数セントでクロスボーダー送金が完了する利便性は他のステーブルコインを大きく引き離しています。
DeFi分野では貸付・流動性マイニング・クロスチェーン移転の基盤通貨として採用率が高く、新サービスがUSDT対応を前提にローンチするケースが目立ちます。
これにより、USDT保有者は市場の新潮流に早期アクセスしやすいという二次的メリットも得られます。
USDTのデメリット
リスク要因を箇条書きで列挙します。
- 四半期ベースの開示でリアルタイム監査がない
- Tether社の集中管理に依存
- 規制当局の動向で上場停止リスクあり
- スマートコントラクト・ブリッジ攻撃に晒される
- 法定通貨への出口(オフランプ)手数料が取引所により大きく異なる
特にEUのMiCA規制下では、USDTが2025年6月に一部取引所で上場制限を受ける予定であり、地域によっては流動性が断続的に分断される恐れがあります。
透明性の限界と中央集権コントロールの存在は、規制順守を重視する機関投資家がUSDCへ流れるインセンティブとなっており、中長期的にはシェア低下リスクに直結します。
USDTの購入方法を初心者向けに解説
初心者がCEXでUSDTを購入する際の手続きは、以下4ステップが基本です。
- アカウント開設 — メール認証と2段階認証(2FA)を設定
- KYC(本人確認) — パスポート・運転免許証などを提出
- 法定通貨入金 — 銀行振込やクレジットカードを利用
- USDT建て成行・指値注文を発注
口座開設後は、セキュリティ面で必ず2FAをオンにし、入金アドレスのホワイトリスト登録を行うと安全性が向上します。
入金が反映されたら「USDT/JPY」や「USDT/USD」などの取引ペアで購入し、購入後は取引所内ウォレットか外部ウォレットへ移動して管理します。
送金コストを抑えたい場合は、少額→TRC-20版USDT、DeFi活用→ERC-20版USDTといった形でチェーンを使い分けるのが一般的です。
複数取引所を併用し、手数料・スプレッド・入出金速度を比較すれば、トータルコストを数%単位で削減できます。
最後に、自己管理を徹底したいユーザーはLedgerやTrezorなどのハードウェアウォレットを利用すると、取引所ハッキングリスクを大幅に回避できます。
ハードウェアウォレットとは、秘密鍵をオフライン環境で保管できる物理デバイスのことで、盗難やフィッシング耐性が高い点が特徴です。
USDTと他のステーブルコインの比較
Tether USD(USDT)が抜群のシェアを誇るとはいえ、2025年の市場では「透明性と規制適合性を重視するUSDC」「分散型担保でリスク分散を図るDAI」「利回り分配を前面に出すUSDe」など競合モデルが拡大しています。
ここでは代表的な4銘柄を軸に、担保構造・監査頻度・主要ユーザー層などを整理し、USDTがどのポジションに立っているのかを明確にします。
以下に比較表を示します。
指標 | USDT | USDC | DAI | USDe |
---|---|---|---|---|
担保タイプ | 米国短期国債+現金同等物 | 米銀預金+米国債 | 暗号資産超過担保 | 米国債+ステーキング利回り |
発行主体 | Tether社(ケイマン諸島) | Circle社+Coinbase(米国) | MakerDAO(DAO組織) | Ethena Labs(英領ギブ) |
監査・報告頻度 | 四半期アテステーション | 月次アテステーション | オンチェーン透明 | 開発者レポート(月次) |
送金手数料の主力チェーン | Tron・Solana(ほぼゼロ) | Ethereum(Gas高騰影響大) | Ethereum・L2 | Ethereum・EigenLayer |
市場シェア(2025/4) | 64 % | 23 % | 8 % | 1 %未満 |
強み | 流動性・ユビキタス性 | 規制対応・法人口座 | 分散化・検閲耐性 | 利回り分配 |
主な弱み | 中央集権・開示頻度 | Gas高・L1集中 | 価格安定度 | 流動性不足 |
上表の通り、USDTは流動性と多チェーン対応で依然トップを走る一方、「透明性・規制対応=USDC」「分散化=DAI」「利回り=USDe」といった明確な差別化軸が形成されつつあります。
USDCとの違い
USDCはCircle社と米国上場企業Coinbaseが共同運営し、月次報告とBig 4会計事務所による監査を武器に「レギュレーション対応力」を前面に押し出しています。
米国大手銀行の預金口座比率が高く、規制当局の資産凍結命令に即応できる点が金融機関・機関投資家に評価されています。
一方で、主力チェーンがEthereumメインネットのためGas高騰時には10ドル超の送金コストが発生しやすく、新興国ユーザーには敬遠されがちです。
結果として、「コンプライアンス重視 vs. コストと利便性重視」という棲み分けが明確になりつつあり、企業決済やトレード証拠金はUSDC、P2P送金やDEX取引はUSDTという使い分けが一般化しています。
USDCについて詳細を知りたい方や、USDTとの違いを知絵いたい方は、以下の記事をお読みください。
仮想通貨のUSDCとは?基本概要や他のステーブルコインとの違いを解説
DAI・USDeなどとの違い
DAIはMakerDAOが発行する暗号資産超過担保型ステーブルコインで、オンチェーン担保比率が常時110〜150 %を維持します。
仮想通貨のDAIとは?基本概要や他のステーブルコインとの違いを解説
中央管理者を持たず、ガバナンストークン(MKR)保有者がパラメータを決定するため検閲耐性が高い半面、担保資産下落時に清算スパイラルが起こり得る弱点があります。
流動性はUSDTの約1/10ですが、イーサリアム系DeFiでは「準デフォルト担保」として根強い地位を保っています。
USDeは2025年に登場した利回り分配型で、短期国債利息をユーザーに週次で還元するスキームが話題です。ただし流通量はまだUSDTの1 %未満で、ブリッジ脆弱性や市場深度の乏しさが課題と指摘されています。
USDTの活用方法
以下ではUSDTの主要ユースケースを解説します。
DEX流動性提供
自動マーケットメイカー(AMM)型DEXでは、USDTペアがプール深度のベンチマークとして扱われます。
Uniswap v3の集中流動性モデルでは、ETH/USDTペアの集中帯域設定を最適化することで資本効率を2〜3倍に高める戦略が研究されています。
- プロバイダーは手数料収入+インパーマネントロス抑制の両立を図れる
- トレーダーはスリッページが小さく価格探索が高速
- リスクはコントラクトバグ・フラッシュローン攻撃
Curve Financeの「3pool(USDT・USDC・DAI)」は、ステーブル同士の低ボラ・高手数料回転が魅力で、2025年4月時点でも年間手数料利回りが2〜4 %と安定して推移しています。
レンディング
仮想通貨レンディングでUSDTをレンディングすることで、利回り収入を獲得できます。
国内レンディングサービスの貸とくなら、年利10%程度の利回りを提供しています。
レンディングは仮想通貨を一定期間預けるので、預けている間に価格変動が発生しても対応しづらいのがデメリットですが、ステーブルコインなら価格変動が基本的にはないためそのデメリットを消すことがあります。
仮想通貨レンディングを始めたい方は、以下の記事で詳しく解説しているのでお読みください。
仮想通貨レンディングとは?メリットやリスク、どれだけ増えるのかを解説!
USDTの今後の将来性は?
2025年以降、USDTを取り巻く最大のテーマは技術革新・規制対応・競合拡大の3本柱です。ここではそれぞれの観点から将来シナリオを検討します。
プライバシー技術の導入予定
Tether社はゼロ知識証明(ZKP)を活用した「条件付きプライバシートランザクション」研究を進めています。
送信者情報の秘匿と当局監査のトレーサビリティを両立させる構想で、企業利用のプライバシー要求に応える狙いがあります。
実証段階では、チェーン外に暗号化証跡を保管し、司法要請があれば復号するデュアルレイヤー設計が採用されています。
実装が商用化すれば、USDTは単なる決済トークンから「プライバシー準拠の決済レイヤー」へ進化し、機関投資家の利用範囲が広がると予想されます。
EU MiCA対応の影響
2025年6月、EUのMarkets in Crypto-Assets(MiCA)規則が全面施行され、USDTは準拠手続きの遅延を理由に大手欧州取引所で一部上場制限を受ける見通しです。
短期的には取引高の約7 %がUSDCやEURCにシフトすると見込まれていますが、グローバル流動性の中で欧州比率は限定的であり、全体シェアには軽微との分析もあります。
Tether社はMiCA登録に向けたロードマップを公表し、レポーティング要件の自動化・ガバナンス枠組み整備を進行中です。
成功すれば「最大の非欧州準拠コイン」から「マルチリージョン準拠コイン」へ格上げされ、市場の不安定要因が一段と緩和されるでしょう。
新興競合と市場予測
利回り分配型のUSDe、PayPal USD、金融機関発行ステーブルコインの台頭により、「透明性×利便性×利回り」の三つ巴競争が加速しています。
- Deloitteは2030年にステーブルコイン市場が3.7兆ドル規模へ拡大し、USDTのシェアが45〜55 %で推移するベースラインシナリオを提示
- 楽観シナリオでは、USDTがプライバシー決済・RWA決済を取り込み、シェアを維持しつつ総量拡大の恩恵を享受
- 悲観シナリオでは、規制ハーモナイズに失敗し、USDC・銀行系コインに高流動性セグメントを奪われる形で30 %台まで低下
いずれにせよ、開示拡張・地域規制適合・技術投資が今後のシェア維持に不可欠といえます。
USDTについてよくある質問
USDTを日本円にする方法と手数料は?
USDTを日本円にする方法としては、BybitなどでUSDT→BTC/ETHに替え、国内取引所へ送金してJPYに現金化するルートが一般的です。
手数料は「送金手数料+スプレッド+出金手数料」の合計で、TRC-20送金なら数円〜数十円、ERC-20ならガス代高騰時に数百〜数千円かかる点に注意しましょう。
USDTの利息収入は得られる?
レンディングを利用すると、年率5~10%程度の利息が得られます。
利率は市場金利と利用率次第で変動し、高金利プロモーションは流動性ロックや再貸付リスクを伴うため、契約条件を必ず確認してください。
DeFi担保での清算リスクは?
USDTを担保に借入れた場合、デペグや価格乖離で担保価値が下がると瞬時に清算される可能性があります。清算ボットは価格フィードを秒単位で監視しており、証拠金率が閾値を下回ると自動売却が実行されます。
- リスク軽減策:担保比率を200 %以上に保つ、早めに部分返済する、USDCやDAIとの分散を行う
- 清算ペナルティ:一般に増加するため、強制清算より自主返済の方がコストを抑えられます