ライトコインは黎明期からある暗号資産ですが、競合チェーンの台頭で存在感が薄れ、将来性がないと言われることも増えました。
本記事では最新の市況やプロジェクト状況をデータで分析して、弱気材料と成長要因を解説します。
ライトコインは将来性がないって本当？
ライトコインは将来性がないのかと言われていますが、結論から言うとライトコインにはわずかに将来性があります。
送金速度と手数料の低さで古くから決済向けに利用されてきました。それでも近年はETH系やL2チェーンの台頭により存在感が薄れ、「もう終わりでは」という悲観論が根強いのも事実です。
開発者コミュニティの縮小や規制リスクは懸念材料ですが、決済実需・ハッシュレートの上昇・ETF承認期待といったプラス要因が共存しており、価値が0になるリスクより、緩やかに成長を続ける可能性が現時点では上回ります。
長期目線では弱材料を管理しつつ、決済特化チェーンとしての地位を磨けるかがカギとなるでしょう。
最新の市況情報
2025年7月18日、ライトコインは節目100ドルを明確に突破し、建玉(オープンインタレスト)は7.61億ドルと年初来最高を記録しました。しかし半年リターンは−34.5%で、短期筋の売買が価格を大きく動かしている構図が浮き彫りです。
建玉とは、株式・先物・FXなどの取引で、まだ決済されておらず保有しているポジション（売買契約）のことを指します。
年間ベースでは+7.5%とビットコインや他アルトの平均をやや上回りますが、弱気局面では76ドル付近まで落ち込む予想もあり、投資家心理は強弱が拮抗しています。
- 直近高値:100ドル突破は2023年以来で投機筋の注目が集中
- 年間リターン:+7.5%で主要アルトを小幅にアウトパフォーム
- 半年リターン:−34.5%とビットコインの約1.4倍の下落幅
ライトコインの実需状況
ライトコインは決済用途に強みを持ち、オンチェーンデータはその実需を裏付けています。
現行ハッシュレートは2.64PH/sで過去最高3.79PH/s(2025年3月26日)には及ばないものの、長期上昇トレンドは維持しています。
ハッシュレートとは、ビットコインなどの暗号資産（仮想通貨）のマイニングで、1秒間に何回ハッシュ計算（暗号計算）を行えるかを示す指標で、マイニング装置やネットワーク全体の計算能力・安全性の目安となります。
アクティブアドレスも前年比+15%の120万件に増え、使われていないチェーンという評価は当てはまりません。24時間トランザクション量が1.15億LTC(約100億USD相当)に達した日もあり、実際の送金需要が確認できます。
さらにMimbleWimbleExtensionBlock（MWEB）普及率が90%以上に達し、プライバシーとスケーラビリティの向上がネットワーク全体に浸透している点も見逃せません。
MimbleWimble Extension Block（MWEB）とは、Litecoinなどで採用された拡張ブロック機能です。
取引金額やアドレスを隠してプライバシーを高めブロックサイズ効率を向上させる仕組みです。
- アクティブアドレス:平均40万/日を維持しながら右肩上がり
- ハッシュレート:長期的に堅調で51%攻撃コストを押し上げ
- MWEBロック量:15万LTC超でプライバシー利用が拡大中
ライトコインはオワコンなのか？
ライトコインはオワコンなのか、技術的な部分と今後の期待度から分析します。
ライトコインは半減期で価格が上がらない
ライトコインは半減期で価格が上がらないことも、オワコン化の要因の1つになっています。
ライトコインは約4年ごとに報酬半減を実施し、インフレ率を抑制しています。次回半減期は2027年7月27日前後で、ブロック報酬は6.25LTCから3.125LTCへ減少予定です。
過去の半減期では「イベント3〜6か月前に価格高騰→直後に利益確定売り→半年〜1年後に長期上昇」というパターンが見られましたが、最近はあまり価格上昇が目立っていません。
マイナーが撤退するとネットワーク安全性が低下するため、手数料市場拡大やエネルギー効率の高いASIC導入が注目されます。
半減期で価格が上がらない暗号資産として、他にはビットコインキャッシュがあります。
ビットコインキャッシュの価格が上がらない理由を知っておくことで、ライトコインの価格がなぜ上がらないか分析しやすくなる可能性もあるでしょう。
ビットコインキャッシュの価格が上がらない理由は？将来性もあわせて分析
ライトコインETFが承認されれば価格上昇が期待できる
2025年5月時点でSECはライトコイン現物ETFを審査中で、予測市場の承認確率は80%と高水準です。ETFが承認されれば、年金基金やRIA(登録投資顧問)経由の資金流入が期待されます。
既にGrayscaleLTCNの残高は210万ドル規模に増加し、「ETF未承認でも買いたい」という機関需要が存在することを示しています。
決済事業者ではPayPalやBitPayがLTCをサポートし、小口決済での流動性が高まることで、実需に裏打ちされた資金流入も見込めます。
ネットワークの安全性は向上している
ハッシュレートはネットワーク防御力を示す指標で、長期上昇は投資家心理の安定剤となります。エネルギー効率の高いASIC開発が進むほど、同一コストでハッシュレートを高めやすくなる点もプラス材料です。
分散化の観点では、大手マイニングプールのシェアが適度に分散し、特定プールの過半数占有リスクが低下しています。これにより51%攻撃コストが上がり、セキュリティ面の信頼が高まります。
ハッシュレートと価格は相互作用するため、価格上昇→マイナー収益増→ハッシュレート増→セキュリティ強化→投資家安心感→価格上昇という好循環を形成しやすい構造です。
ライトコインの開発状況と競合比較
ライトコインは「堅実なメンテナンス型」で、L2やEVM互換チェーンのような急進的開発とは性質が異なります。
ElectricCapitalによれば月間アクティブ開発者はピーク時50人から15人前後に減少しましたが、バグ修正とセキュリティアップデートは継続しており、基盤維持に必要な最低限のリソースは確保されています。
技術面での差別化は「ビットコイン互換でありながら平均ブロックタイム2.5分」という決済特化チューニングにあります。これによりBTCエコシステムの発展を取り込みつつ、独自機能を追加しやすい立場です。
他のアルトコインとの差別化要素
ライトコインはビットコインと同じスクリプト体系を採用しているため、新機能を試験導入しやすいメリットがあります。
決済特化ゆえスマートコントラクト対応が限定的ですが、そのシンプルさがセキュリティを高める側面もあります。加えて将来的なプライバシー強化も差別化要素になっています。
とはいえDeFiやNFTなど汎用用途では他チェーンに後れを取るため、サイドチェーンやブリッジの整備を通じて外部エコシステムとの接続性を向上させる必要があるでしょう。
ライトコイン投資家の動向を分析
ライトコインは2025年直近30日ではクジラ（ライトコイン大口保有者ウォレット）が保有量を+5.44%増加させ、価格押し上げ圧力が強まっています。
参考：OKX
一方、約50万LTC(5,800万USD相当)の売却も観測され、短期ボラティリティを高める要因になりました。上位100ウォレットで総供給量の40%を握る集中構造は、上昇局面では流動性を絞り価格を押し上げる半面、売却時の下落幅も増幅します。
リスクとしては開発者コミュニティ縮小、規制による上場廃止、半減期後のハッシュレート低下があり、これらが複合すると下振れリスクが高まります。
これらリスクは単独でも価格を動かしますが、同時発生した場合の相乗効果が大きく、戦略としては分散投資と長短ポジションの併用が推奨されます。
財団やコミュニティがリスク低減措置を打ち出せば、ネガティブ材料が緩和される可能性はあるでしょう。
| リスク要因 | 発生確率 | 想定影響 | 対応策 |
|---|---|---|---|
| 開発停滞 | 中 | 価格停滞 | 資金調達 |
| 規制上場廃止 | 中 | 流動性減少 | 規制適合性強化 |
| ハッシュレート低下 | 低〜中 | セキュリティ低下 | 手数料市場育成 |
ライトコインは将来性ない？についてよくある質問
- ライトコインは今後規制されるの？
- ライトコインの利用は増えているの？
- ライトコイン投資より低リスクで稼ぐ方法はある？
ライトコイン投資より低リスクで稼ぐ方法はある？
ライトコイン投資より低リスクで稼ぐ方法は仮想通貨レンディングです。
レンディングは、仮想通貨をレンディング業者に一定期間預けることで、利回り報酬がもらえます。
ライトコインは今から投資しても10倍や100倍のリターンが狙える可能性は低く、価格も安定していないため将来性が読みにくいです。
しかし、仮想通貨レンディングであればレンディングであれば価格変動がほぼない仮想通貨を預けることができるため、低リスクで利回り収入を受け取れます。
仮想通貨レンディングの詳細ややり方は以下の記事で解説しているので、あわせてお読みください。
仮想通貨レンディングとは？メリットやリスク、どれだけ増えるのかを解説！
ライトコインは今後規制されるの？
米商品先物取引委員会はLTCを「コモディティ」と公式見解を示しており、SECの証券規制は適用対象外です。そのため米国管轄ではビットコインと同様の扱いが維持される見込みです。
ただし韓国主要取引所のようにMWEBを理由に上場廃止とするケースもあるため、国ごとの規制差は依然としてリスク要因です。
ユーザーは保有エリアの規制動向を継続監視し、取引所変更や自己保管の準備をしておくと安心です。
ライトコインの利用は増えているの？
BitPay決済データ(2025年3月)によれば、全暗号決済の32.26%がライトコインで、ビットコインの29%を上回りました。高速決済と低手数料が小口決済に適しているため、ECやPOSでの採用が拡大しています。
PayPal、CoinGateなど大手決済事業者のサポートにより、非クリプト層のユーザーでもライトコイン決済を選択しやすくなりました。
こうした実需基盤が強固になるほど価格ボラティリティは低減し、長期的な信頼度が高まると考えられます。
