ソラナがイーサリアムを超えるという話が定期的に話題になります。本記事では現在の差を確認し、逆転が実際に起こり得るかを解説します。
ソラナとイーサリアムのどちらに投資すればよいか迷っている方は、本記事を読んで判断材料にしましょう。
ソラナがイーサリアムを超える?
ソラナの時価総額はイーサリアムの時価総額を超えるでしょうか?これについて予測するため、まず現状のいくつかの要素を整理してみましょう。
現在の価格と時価総額の差
1つ目のポイントは両チェーンの「規模」です。2025年07月30日時点でETHの時価総額は約4620億ドル、SOLは約980億ドルで4.7倍の開きがあります。価格面でもETH≒3815USD、SOL≒181USDと約21倍差です。
指標 | イーサリアム | ソラナ | 差 |
---|---|---|---|
時価総額 | 4620億USD | 980億USD | 4.7倍 |
直近価格 | 3815USD | 181USD | 21倍 |
流通量 | 1.21億ETH | 5.41億SOL | 4.5倍 |
表から分かるように、SOLが時価総額でETHを抜くには仮にETHが横ばいでもSOLが約5倍上昇する必要があります。逆にETHが成長を続ければSOL側の必要上昇率はさらに大きくなります。
したがってソラナがイーサリアムを超えるには単純な「価格伸び率」だけでは測りづらいです。
ソラナがイーサリアムを超える3つの条件
以下にソラナがイーサリアム超えるための3つの条件を列挙します。
- SOL価格が400~600ドル帯に到達
- ETH価格が4000ドル近辺で長期停滞
- SOL流通量の増加ペースが現在より鈍化
上記はあくまで必要条件であり、十分条件ではありません。
SOLが5倍になってもETHがアップグレードの勢いで7500ドルに達すれば差は縮まりません。さらにSOLの供給インフレ率は4.38%で増えており、これは毎年減少するものの、ETH仕組み上実質デフレになる日もあるため、供給面の競争は引き続き接戦です。
ソラナがイーサリアムを超える可能性はありますが、ソラナがオワコンと言われていることも抑えておく必要があります。
Solanaがオワコンは本当?2025年最新の情報から将来性を分析
価格が入れ替わるタイミングは?
市場関係者の多くは「2026年末から2027年初頭」を視野に入れています。
この予測の根拠には以下が挙げられます。
- ソラナのアップデート
- SOL現物ETFによる資金導線の整備
- クリプト全体時価総額が10兆ドル規模へ拡大するというマクロシナリオ
ただし、規制強化やマクロ流動性の冷却があればタイムラインは大きく後ろ倒しになる点に留意してください。
実際、2025年前半には価格差に大きな動きはありませんでした。
これに対して米国スタンダートチャータード銀行は、最近のソラナにおけるミームコインの流行がピークとし、今後2,3年はイーサリアムよりソラナが劣後すると予測を立てています。
参考:The Block
ソラナがイーサリアムをいつ超えるのかを予測する
ここからはソラナがイーサリアムを超えるなら「いつ起こり得るか」という時間軸を主要要因ごとに推定します。
想定される市場規模と時間軸
仮に、すべての仮想通貨の合計時価総額が10兆ドルに到達したと仮定して計算してみましょう。
その場合ETHがシェア25%、SOLが15%を獲得すれば、逆転は射程圏内といえます。現在のシェアはETHが17%、SOLが3.5%なので、少なくともあと約4‑5年の強気相場が必要になります。
強気サイクルとは市場全体が上昇している期間を指し、過去例では2017年と2021年が該当します。それ以降は年単位で長期間の強気サイクルは訪れていません。
ソラナのETFが与える影響
SOL現物ETFは2025年7月2日に上場しましたが、初週の資金流入は2.1億ドルとETHETF初週の7%程度にとどまりました。ETF(上場投資信託)は機関資金を呼び込む要因になり、流入が加速すれば市場規模の拡大が前倒しされます。
ソラナの今後の将来性は期待できる?
ソラナは今後イーサリアムを超えるほどの将来性があるのか解説します。
イーサリアムの今後の将来性については以下の記事で解説しているので、あわせて読むとより判断しやすくなるでしょう。
イーサリアムの今後の将来性は期待できる?2025年最新情報を元に徹底分析
高速処理と低手数料
アップデートによって追加された新しいFiredancerクライアントはテストネットで100万TPSを達成しました。
TPS(TransactionsPerSecond)とはネットワークが1秒間に処理できる取引数です。クレジットカードのVisaのネットワークで秒間10000TPSと言われています。
100万TPSという数値は、世界のクレジットカード網の水準圧倒的に超えています。また取引当たりの平均手数料は0.003–0.005USDで、イーサリアムの現在の取引手数料であるの0.38USDより2桁も安いです。
とにかく安くかつ早いので、大量のユーザーが、それこそ世界のVisaの利用者より多くの人が来てソラナを使っても問題ないレベルのTPSを搭載しています。
ユーザー数と開発者コミュニティの拡大
2025年7月8日に1日1460万アクティブアドレスを記録したことで、ソラナは全パブリックチェーン中で最多ユーザーを誇ります。
またElectricCapitalのレポートによれば、新規開発者数でも今年は7625名でイーサリアムを上回りました。
学習コスト低下と助成金プログラムが人材流入を強く後押ししています。
ネットワークの安定性
過去には数時間規模のネットワークの完全停止を繰り返していたソラナですが、2024年2月の最後の停止以降、ようやく「1年間無停止」を達成しました。ソラナは着実にアップデートされています。
イーサリアムとソラナの機能性を比較
ここで、イーサリアムとソラナを比較して現在の状態をまとめてみましょう。
指標 | Ethereum | Solana |
---|---|---|
時価総額 | ≈ $441.9 B | ≈ $91.1B |
DeFi TVL | ≈ $81.5 B | ≈ $9.6 B |
1 日トランザクション数 | ≈ 1.4 M tx/day | ≈ 200 M tx/day(ピーク期の実績) |
実効 TPS(L1) | ≈ 30 TPS | ≈ 4,000 TPS |
ネットワークが稼いだ手数料総額(24 h) | ≈ $1.9 M / 日 | ≈ $1.3 M / 日 |
月間アクティブ開発者数* | ≈ 11,000+ | ≈ 5,500 弱 |
2024 年新規開発者数 | 6,456 人 | 7,625 人(最多) (CoinDesk) |
ざっくり、経済規模ではイーサリアムがダントツで高いですが、手数料や速度ではソラナが強いです。
また、開発者数では現状イーサリアムが最大ですが、2024 年の新規流入はソラナが最多で成長速度が速いと言えます。
ソラナがイーサリアムを超える?についてよくある質問
- ソラナとイーサリアムの手数料はどのくらい違う?
- ETF上場で価格はどう動きそう?
ソラナとイーサリアムの手数料はどのくらい違う?
ソラナは平均0.004USD程度、イーサリアムは0.38USD前後です。イーサリアムのL2利用時でも0.02–0.05USD付近が普通で、ソラナが優位なのは変わりません。
ETF上場で価格はどう動きそう?
ETF流入額が中長期トレンドに与える影響は大きく、ソラナETFはまだ初期段階です。ETHETFは成熟しつつあり、流入加速が価格支持線を引き上げる要因になっています。