ポルカドットはオワコンとたびたび言われています。
そこで本記事では、ポルカドットの最新状況や内部状況などをもとに、本当にオワコンなのか解説します。
ポルカドットに投資しようと考えている方や、将来性があるか判断したい方はお読みください。
ポルカドットがオワコンは本当なのか?
ポルカドットは本当にオワコンなのか、以下の指標を分析して解説します。
- 価格推移と時価総額
- 開発者数とコミュニティの動向
- ネットワーク性能とセキュリティ指標
ポルカドットはリレーチェーンとパラチェーンを組み合わせて複数のブロックチェーンを相互接続するプラットフォームです。
価格推移と時価総額の縮小
2023年から2024年にかけてDOT価格はピーク比で約半減し、2025年7月9日時点では3.33ドルにとどまります。この下落はマクロ環境の金利高騰と競合チェーンの台頭が重なった結果です。
時価総額も540億USDから150億USD規模へ縮小し、比率としては-70%以上の調整となりました。
もっともボラティリティ(価格変動率)は直近30日で8.1%と大型アルトコインの平均水準に収束しており、急落後の落ち着きを示唆しています。
開発者数とコミュニティの動向
Electric Capitalの年次レポートによると、ポルカドットの月間アクティブ開発者は前年比14%減ですが、依然として1000人超を維持し上位圏に踏みとどまっています。
Fellowshipと呼ばれるコア開発者組織はメンバーが約2倍に増えており、基盤部分の改修体制はむしろ厚くなりました。
コミュニティ規模はTwitter・Discord合算で150万人規模を保持し、市場低迷期でも議論が活発です。とはいえParity Technologiesの人員削減やトレジャリー支出拡大が議論を呼び、内部批判も少なくありません。
地域別には欧州が最大開発拠点ですが、南米やアジアからのGitHubコントリビューションも増加傾向にあり、多極化が進行しています。
ネットワーク性能とセキュリティ指標
2024年導入のAsynchronous Backingによりブロック生成が並列化され、リレーチェーンの平均ブロック時間は6秒前後に短縮されました。
参照:polkadot
この高速化は処理能力(スループット)を3〜5倍押し上げ、テスト環境Kusamaでは143kTPSを記録しています。TPSとは1秒あたりの処理件数を示し、チェーン性能の代表指標です。
ステーキング率は約52.5%で、800百万DOT超がロックされています。
ステーキングとはバリデータがトークンを担保にブロック検証を行う仕組みであり、高率ほどネットワーク攻撃コストが上昇します。
ポルカドットの価格はいつ上がる?
ポルカドットの価格はいつ上がるのか、以下の指標から分析します。
- Fear&Greed指数と現行市場環境
- 新しいバーンの仕組みによる供給抑制
- 需要を作る新しいシステムが登場
Fear&Greed指数と現在の市場環境
Fear&Greed指数が極度恐怖を示す一方、過去データでは同水準から12か月後に大幅反発した例が複数あります。
指数の回復には金利低下などマクロ要因も絡むため一概には言えませんが、センチメントの底打ちが近い可能性は高まっています。
ヘッジファンドのCFTC建玉ではネットショートが過去5年平均を下回り、売り圧が限定的である点も注目されます。短期見通しは依然慎重ながら、過度な弱気相場は峠を越えつつあります。
新しいバーンの仕組みによる供給抑制
2024年9月に導入されたAgile Coretimeでは、パラチェーンのリソースをコア単位で動的販売し、支払いDOTは全量バーン(燃焼)されます。
Agile Coretimeとは、パラチェーンが利用するブロックスペースを「コア」という最小単位で購入し、支払いしたDOTを即時バーンして供給量を削減する仕組みです。
バーンとはトークンを誰もアクセスできないアドレスに送付し供給量を永久に削減する仕組みです。
現在までに23個のコアが販売済みで、約270万DOTがバーンされました。
将来的にElastic Scalingが稼働しコア需要が増えれば、バーン速度が加速しインフレ圧力が緩和されると期待されます。
ElasticScalingとは、ネットワーク需要に合わせて接続パラチェーン数を自動的に増減させ、総処理能力を弾力的に拡張・縮小するスケーリング機構です。
需要を作る新しいシステムが登場
JAM(Join-Accumulate Machine)はリレーチェーンを必要最小限の小さな部品に分け、スマートコントラクトを直接動かせるようにする新しいシステムです。
Elastic Scalingは2025年第1四半期に本番化が予定されています。
これらにより新規アプリはパラチェーンを自動配備できるため、開発の敷居が大幅に下がります。需給両面からDOT需要を押し上げる役割として注視されます。
ポルカドットに将来性はないのか?
ポルカドットに将来性はないのか、以下の観点から解説します。
- 開発者エコシステムの現状
- ポルカドット2.0
- パラチェーンオークションの最新状況
開発者エコシステムの現状
Electric Capitalレポートによれば2024年の新規開発者流入は1000人超で、ブロックチェーン全体でトップ10圏を堅持しています。特に南米と東南アジアからの参加が目立ち、地域多様化が進行しています。
Fellowshipメンバー増加はコア層の厚みを示し、Substrateスタックの習熟度が向上したことが背景にあります。
Substrateとはポルカドット用フレームワークで、ブロックチェーンをモジュール化して構築できるツール一式です。
ハッカソンや助成金プログラムも活発で、2024年だけで120超のプロジェクトが資金提供を受けました。次世代トレンドとしてゲーム系パラチェーンが存在感を増しています。
ポルカドット2.0
JAM(Join-Accumulate Machine)により、パラチェーンの開発言語を選ばず柔軟性が飛躍的に高まります。
JAM1.0完成は2025年4月を見込み、以後はコンセンサス層改訂を伴わずに拡張が可能となります。
パラチェーンオークションの最新状況
パラチェーンオークションはこれまで125回開催され、約40チェーンが稼働中です。
出典:parachains.info
オークションとは接続スロットを競り落とす形式で、安定した接続セキュリティを提供する手段です。
Agile Coretimeの導入後はコア単位で短期購入できるため、初期資本負担が軽減されました。
コア販売は開始3か月で23コアを記録し、需要は堅調です。一方、コア価格はボラティリティが高く、長期コストの見通しが立ちにくい点が課題として指摘されています。
ブロックスペースの動的割り当てが進めば、リソース活用効率とDOTの実需が高まり、価格面での追い風となります。
ポルカドットの内部状況
ポルカドットの内部状況を解説します。
支出が拡大している
2024年の年間支出は1.29億ドルで前年の3.2倍に達しました。
特に8,700万ドル規模のマーケティング費が、コミュニティは費用対効果への懸念されています。
支出提案の77%が承認される一方、却下案件のレビュー体制が不十分との声も上がっています。
資金配分の透明性と今後の改善策
ガバナンスV2への移行で投票手数料が引き下げられ、個人参加のハードルは低下しました。
ガバナンスV2とは投票メカニズムを簡素化したバージョンで、小口ホルダーでも提案可否へ影響を与えやすくなります。
トレジャリー会計ダッシュボードの公開や四半期レポートの義務化が進行中で、説明責任の強化が期待されます。
ポルカドットと競合チェーンの比較
ポルカドットの競合であるCosmosおよびSolanaと比較し、技術的特徴と開発者動向を整理します。
以下に主要スペック比較表を示します
チェーン | セキュリティ方式 | 開発者数(24年) | 代表TPS |
---|---|---|---|
Polkadot | 共有セキュリティ | 約1,000人 | 143k(テスト) |
Cosmos | 疎結合IBC | 約800人 | 10k(Optim) |
Solana | 単一チェーンPoH | 約2,000人 | 50k(実測) |
Solanaは処理速度が速く開発者も増えて勢いがありますが、多くの資産移動に外部ブリッジを頼るためセキュリティ面で心配が残ります。
Cosmosは各ゾーンが独立して自由に動けますが、その分セキュリティを自分で守る必要があります。
ポルカドットはネットワーク全体でセキュリティを共有し、チェーン開発も簡単にできますが、リレーチェーンの容量が限られている点が弱みです。
Cosmosとのアーキテクチャ比較
CosmosはIBCという通信ルールでチェーン同士をつなぎます。各チェーンは自分で合意形成(コンセンサス)を行うため、言わば独立採算の小国が連邦を組んでいるイメージです。
IBCはその小国間でトークンやデータを安全に運ぶ宅配便の役割を果たします。
一方ポルカドットはネットワーク全体でひとつの警備隊(バリデータ)を共有し、XCMという共通メッセージ方式で情報をやり取りします。
つまり大きな城壁都市の中に複数地区があるイメージで、外敵の侵入コストが高いぶん個別の自由度はやや低くなります。
まとめると、ポルカドットは高い安全性を一括提供する代わりにリソースを共有し、Cosmosは各チェーンが自由に進化できる代わりに自前で防衛力を整える必要があります。
開発者はセキュリティ重視か独立性重視かで選択する傾向があります。
Solanaとの開発者・性能比較
SolanaはProofofHistory(PoH)という時刻スタンプをまとめて作る方式で、1本の高速道路を全力で走るイメージです。
月間開発者は前年比83%増と勢いがあり、DePINやDeFiでの採用が拡大しています。
対してポルカドットはElasticScalingで道路(チェーン)を横に増やし、全体の交通量をさばく構造です。実測TPSはSolanaが先行しますが、パラチェーンを並列化すれば理論値では近い性能まで伸ばせます。
開発面ではポルカドットのほうがSolanaより多くの言語で行えるため、新規開発者が参加しやすい点が強みです。
ポルカドットの今後のリスク
ポルカドットは弱気市場の長期化と資金調達環境の変化により、プロジェクト存続コストが増大しています。
- 価格停滞に伴う投資家離れ
- 開発者流出とEVM系L2チェーンへの移行
- ガバナンス支出の急拡大による財務圧迫
価格要因はマクロ経済と連動するため外部変数が大きいものの、開発者とコミュニティの維持はまだ対策が可能になるでしょう。
ポルカドットはオワコン?についてよくある質問
- ポルカドット投資よりおすすめの運用方法はある?
- ポルカドットはイーサリアムを超える?
- ポルカドットがよく下落する理由は?
- ポルカドットはガチホする価値ある?
ポルカドット投資よりおすすめの運用方法はある?
ポルカドットより低リスクで稼ぐ方法は仮想通貨レンディングです。
レンディングは、仮想通貨をレンディング業者に一定期間預けることで、利回り報酬がもらえます。
ポルカドットは今から投資しても10倍や100倍のリターンが狙える可能性は低く、ボラティリティが高く高リスクです。
しかし、レンディングであればレンディングであれば価格変動がほぼない仮想通貨を預けることができるため、低リスクで利回り収入を受け取れます。
仮想通貨レンディングの詳細ややり方は以下の記事で解説しているので、あわせてお読みください。
仮想通貨レンディングとは?メリットやリスク、どれだけ増えるのかを解説!
ポルカドットはイーサリアムを超える?
ポルカドットはイーサリアムを超えるのかとよく言われますが、イーサリアムとは競合というより補完関係にあります。
Snowbridgeにより資産移動が容易になり、イーサリアム資本を取り込む設計です。総開発者数やTVL(ロック総額)では依然イーサリアムが桁違いですが、特定用途の並列スケーリングではポルカドットが優位となる場面も期待されます。
ポルカドットがよく下落する理由は?
ポルカドットがよく下落する理由は、相場規模が小さく資金流入が限定的な時期は価格変動が拡大しやすいためです。
さらにガバナンス議論がマーケットに不透明感を与え、短期売り圧につながることが多い点も要因となります。
ポルカドットはガチホする価値ある?
ポルカドットをガチホする価値については、技術ロードマップが順調に進みCoretimeバーンやElastic Scalingが実現すれば、中期的には需給改善が見込めます。
ただしトークン経済とガバナンスの成否が価格に直結するため、長期保有にはロードマップ進捗と財務健全性を見ておく必要があります。
そのため、暗号資産に多くの時間を割けない方には少し難しい銘柄になるでしょう。