イーサリアムの今後の将来性は期待できる?2025年最新情報を元に徹底分析

イーサリアム 今後

本記事では、イーサリアムの直近の値動き、今後の価格動向や将来性などを、専門家の予想や最新ニュース情報を元に解説します。

「今からイーサリアムを買うのは遅いのでは?」と不安な方や、「イーサリアムの価格はこれから上がるのか?」と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

目次

イーサリアムの今後はどうなる?最新市場動向と価格見通し

イーサリアム(ETH)は 2025 年5月末にかけて月次ベースで今年初のプラス圏を確保し、年初来でおよそ50 %の反発を示しました。

もっとも、値動きがプラスで終わったからといって安心は早計です。市場が息を吹き返すと同時に、ボラティリティ(価格変動幅)が広がる傾向も見られるため、短期的な揺り戻しを無視できません。

こうした背景を踏まえ、本節では「短期の警戒ポイント」と「年末に向けた価格レンジ」の2つに大別して、最新のオンチェーンデータやチャートデータを整理します。

先に結論を述べると、短期的には調整が入りやすい一方、長期保有者にとっては押し目買い好機となり得る、それが現状です。

短期指標が示す反落リスクと年間トレンド

マックディー(MACD)とは、短期と長期の指数平滑移動平均線を差し引いた、加速度を測るオシレーターの一種で、0 ラインを上抜くと上昇モメンタムを示唆します。

5月末時点でMACDはプラス圏を維持しているものの、シグナルラインとの乖離が縮小しつつあり「ダイバージェンス(価格と指標の逆行現象)」が目立ち始めました。
これは短期的な反落シグナルとして受け止められやすい状況です。

もう一つ注目されるのがMVRV(Market Value to Realized Value)です。

MVRVは「長期保有者の平均含み損益」を示すオンチェーン指標で、‐20 %台にあると割安圏と見なされやすい指標です。

イーサリアム MVRV
出典:CCN

現状の‐20 %台という水準は「割安感が買い戻し需要を呼び込む」ことを示唆しており、値下がり局面での買い支えが想定されます。

最後に、出来高ベースのOBV(On-Balance Volume)を見ると、出来高は低下しているもののOBVは横ばいで推移しており、売買が均衡していることがわかります。

短期的な売り圧力が強まっても、出来高減少が価格下落を限定的にする可能性があります。こうしたテクニカル面の“せめぎ合い”が、今のイーサリアムの相場環境を形づくっています。

出典:CCN

2025年末までの価格レンジと強気シナリオ

以下に主要リサーチ機関・取引所の年末ターゲットをまとめます。

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予想機関ベースライン(中央値)強気シナリオ補足コメント
Forbes5,800 USD7,800 USDETF流入の再拡大を想定
InvestingHaven6,000 USD8,200 USDマクロ環境が追い風のケース

上表からわかるように、多くの調査で「5,000〜6,000 USD」が中心レンジです。強気シナリオがやや抑えられる理由は主に2点あります。

第1に、レイヤー2(メインネットを補助する取引圧縮レイヤー)の普及が手数料収入モデルを変質させていること。
第2に、現物ビットコインETFへの資金流入がソラナなど他チェーンにも分散しやすく、ETH単体の資金吸収力が薄まりやすい構造です。

もっとも、機関投資家によるヘッジ取引(先物・オプション)の建玉は増加傾向にあり、成熟資産としての地位向上は続いています。

強気派は「デリバティブ市場の厚み」がボラティリティ縮小と資本定着につながると見ています。

一方、慎重派は「裁定取引主体の売り」が価格上昇の天井を抑えると警戒しており、結果として強弱が拮抗した5,000 USD台が現実的な着地点とみなされているのです。

イーサリアムはオワコンなのか?

NFT取引高がピーク比80 %減となった2024年以降、「イーサリアムはオワコン(終わった)」とのレッテルが広まりました。確かに、ネットワーク手数料収入は2023年3Qの水準まで後退し、一時は投資家心理が冷え込んだのも事実です。

しかし、データを精査すると別の景色が見えてきます。日次決済高は2025年4月時点で前年同月比45 %増に回復し、長期保有アドレスの平均保有期間は延び続けています。
出典:FINANCAL TIMES

これは「短期投機マネーは抜けたが、残ったユーザーの定着度が高い」ことを示唆します。
さらに、ステーキング利回りは約4 %で安定し、疑似国債のようなポジションを獲得している点が他チェーンにない“防波堤”です。
出典:Staking Rewards

要するに、停滞論の根拠はサイクル的な収益減少を過大評価した点にあり、基礎指標を俯瞰すると構造的衰退を裏づけるデータは限定的です。

以下の記事で、イーサリアムがオワコンになるシナリオを紹介しています。
今後価格が上がらなくなる可能性を知っておきたい方はお読みください。

イーサリアムがオワコンって本当?2025年の最新分析とリスクを解説

イーサリアムが1000万円に到達する?

1 ETH=1,000万円(約64,000 USD)の実現には、イーサリアム全体の時価総額が約7.7 兆 USDに拡大する必要があります。

これは2025年5月現在のビットコイン時価総額を1.7倍上回る規模で、いわば「超強気」シナリオに属します。

専門機関による試算を要約すると、次の条件がほぼ同時に成立しなければなりません。

専門家によるイーサリアムの試算
  • 年間ネットワーク収益0.5 兆 USD
  • 実需バーン率3 %の維持
  • 世界資産トークン化比率10 %超
  • 世界的マクロインフレ率4 %が長期持続

現状はいずれも遠く及ばず、VanEckが提示する「2030年ベースケース11,800 USD」でさえ、上記要件の約20 %達成にとどまります。

むろん「すべての資産がトークン化される」という超長期ビジョンを描く投資家にとっては魅力的な夢ですが、直近5年間で到達する確率はごく低いと結論づけるのが現実的です。

したがって1,000万円シナリオはポートフォリオの“外挿リスク”として扱い、保守的なベースラインを主軸に資本配分を組むほうが賢明でしょう。

イーサリアム暴落事例から学ぶリスク管理

価格が急落したとき“何が起きていたのか”を把握することは、将来の損失を抑える最良の教科書です。

歴史的暴落と2025年最近の急落を対比し、トレーダーが備えるべきポイントを抽出します。
まず押さえておきたいのは、暴落には「一瞬で奈落へ落ちるフラッシュクラッシュ」と「じわじわ下がるスロークラッシュ」の2類型があることです。

フラッシュクラッシュとスロークラッシュ

フラッシュクラッシュとは、短期間のうちに価格が急激かつ激しく下落し、その後すぐに回復することを指します。

2017年6月のGDAX事件では、わずか数分で300 USDから0.1 USDまで急落しました。大型売り注文がストップロスを連鎖的に巻き込んだ結果、板が真空になった典型的フラッシュクラッシュです。

スロークラッシュとは、フラッシュクラッシュのような急激な変動が起こる前に、じわじわと、少しずつ相場が下落していく状況を指します。

対照的に、2025年3月のスロークラッシュは60時間で37 %下落しました。流動性が薄い週末夜間に売りが集中し、階段状に値を切り下げる形で「逃げ遅れを誘う」タイプの下落でした。

ここで学べるのは、フラッシュクラッシュは瞬時決着型ゆえ「即座のロスカット」が命綱であるのに対し、スロークラッシュは“気付きにくい”ため「監視ルーチンの確立」が何より重要という点です。

いずれの場合も、買い板厚みが薄れる時間帯(東京午前4時前後、週末深夜)が危険ゾーンとして再確認されています。

損失を最小化する注文戦略と時間帯の見極め

以下に、暴落時に損失を圧縮するための実務的ヒントを箇条書きで整理します。

暴落局面で有効な防御策
  • 段階的指値の分散設置
  • 取引所をまたぐ注文分散
  • アジア早朝・週末深夜の板厚モニタリング
  • 清算ウォール(大量ロスカット水準)の把握

指値を複数階層に分けておけば、板が一気に消失しても「全ポジションが一度に狩られる」事態を避けられます。

また、海外取引所を含めた複数板への分散は単一取引所の事故リスクを低減します。
最後に、清算ウォールが近い価格帯は売りが加速しやすいので、事前にオンチェーン清算データをチェックしておくと回避行動が取りやすくなります。

イーサリアムの価格のAI予想

2024年以降、生成AIを用いた価格予測モデルが乱立しました。Ozak AIは2025年末価格を「現在値の300倍」と過激に試算し注目されましたが、学習期間が2020年以降に偏り、過去の大暴落フェーズを適切に織り込めていないと批判されています。

一方、VanEckが採用するDCF(ディスカウント・キャッシュフロー)モデルは2030年価格を11,800 USDと提示し、平均誤差15 %で推移しています。
ここで重要なのは、モデル精度は「入力データの質」「学習期間」「予測したい期間の長さ」に依存するという基本原則です。AIだから万能、というわけではありません。

AI予測と向き合う実務的スタンスとしては、

  • レンジを絞る参考情報として使う
  • ストップロスや利益確定の“最終決定”をAI任せにしない
  • 入力パラメーター(L2取引高、ステーブルコイン供給量など)の妥当性を必ず点検する

この3点に集約されます。つまり、AIは優秀な“補助輪”ですが、ハンドルを握るのはあくまで投資家自身なのです。

各イーサリアムエコシステムの成長性

イーサリアムの強みは、単に高い時価総額を誇ることではなく、「開発者とユーザーの密度」を背景に絶え間なく進化するエコシステムにあります。

本節では「スケーリング」「RWAトークン化」「ノード最適化」という3大テーマに沿って、成長エンジンの現状と今後を展望します。

手数料削減とDankshardingで拡張性はどこまで向上するか

Dankshardingとは、データ可用性を大幅に改善する将来のメインネット拡張計画で、1スロット当たりのデータ取込量を16倍にする設計です。
L2との“往復コスト”が事実上ゼロに近づくことで、ゲームやソーシャルグラフ系dAppの取引回転率が跳ね上がる可能性があります。

現行のProto-Danksharding(EIP-4844)でもガス代は平均90 %超削減されており、週次アクティブアドレスがメインネットの5倍を超える伸びを示しています。

データ可用性が広がれば**「ユースケース拡大→手数料増→バーン増」**という正の循環が続く公算が高いでしょう。ただし、L2手数料低下がL1の収益を圧迫する懸念もあり、L1の価値捕捉モデルを再設計する議論が活発化しています。

補足すると、Dankshardingが本格稼働する前にL2間競争が激化し、手数料が再び“ゼロ価格競争”に陥るリスクも指摘されています。投資家としては「L2のTVL伸び」と「メインネットバーン量」の両輪を並行監視する姿勢が必須です。

RWAトークン化がもたらす実需拡大と収益モデルの変化

実世界資産(RWA)のトークン化市場は2025年5月時点で約250 億 USD規模に到達し、その55 %がイーサリアム上で発行されています。

RWAが注目される理由は、オンチェーン決済高の底上げと手数料バーンの安定化という実需を叶える点にあります。

RWA分野の成長効果
  • 不動産・トレジャリー債券のオンチェーン清算が可能
  • ステーブルコインの裏付け資産として需要を吸収
  • 従来のDeFiと補完的に機能し、TVL拡大に寄与

こうしたRWAの広がりは、ネットワーク手数料の多様化をもたらし、「ガス高=負担」というイメージを“収益源”へ転換します。

ただし、法規制対応とオフチェーンデータの正確性確保が前提条件であり、プロトコルに保険レイヤーを内蔵する動きが普及するまで、一定の時間を要するでしょう。

Verkle tree導入でノードコストと分散性は改善するか

Verkle tree(ヴァークル・ツリー)とは、現行のMerkle Patricia treeを置き換える次世代データ構造で、ノードが保持すべきステートサイズ(台帳情報)を劇的に圧縮することを目的としています。

Verkle treeの最大の特徴は、専門用語ですが「証明サイズ」と呼ばれるデータ検証用の証拠が小さく済む点です。
これにより、ライトクライアントでもほぼリアルタイムでネットワークの整合性を確認できるようになります。

現在、完全ノードを運用するにはSSDベースでも数テラバイト級のストレージが必要です。
この高いハードルが個人バリデーター参入を難しくし、中央集権化を誘発してきました。

Verkle treeの採用により、フルノードのディスク要件は数百ギガバイト規模まで縮小する見通しで、結果として「誰でもノードを立てられる」環境が整います。

開発陣は2025年後半のテストネット統合を目標に作業を進めており、実装が完了すれば「L2スループット拡大 → メインネットの証明コスト圧縮」という連鎖が一層強化されます。

もっとも、ノードソフトウェアの抜本的刷新が必要となるため、ハードフォーク期の互換性リスクが残る点は認識しておくべきでしょう。

イーサリアムのネットワークリスク

イーサリアムの長期的価値を測るうえで、ネットワークの内在リスクを見逃すわけにはいきません。本章では、特に懸念が高まるステーキング動向とノード寡占の問題にフォーカスし、リスク評価と対策を整理します。

流動性ステーキングの台頭と参加率低下リスク

流動性ステーキング(LSD)は、ステークしたままトークンの流動性を保てる仕組みを指します。

Rocket PoolやLidoが代表例で、TVL急増は投資家にとってありがたい“利便性向上”ですが、裏を返せば「金利低下局面で一気に資金が抜けやすい」というリスクを孕みます。

1 ETH当たりのネット利回りが3 %を割り込むと、より高利回りのDeFiプールや債券ETFへ資金がシフトしやすくなる――という実証研究もあります。

VanEckが「ステーキング参加率50 %割れで想定利回りが維持できない」と指摘したのはこの構造を念頭に置いた警鐘です。

下表は、参加率が下がった場合に想定されるインパクトを簡潔にまとめたものです。

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ステーキング比率ネット利回り価格への短期影響想定される対策
60 %超3–4 %中立ETH先物でヘッジ
40–60 %2–3 %やや下押しバーン強化策の議論
40 %未満1–2 %大幅下落リスクL2手数料再配分など

理論上、バーン量が利回り低下分を相殺できれば価格ダメージは緩和されますが、L2比率が高まるにつれバーン源泉がL2側へ偏るため、メインネットだけでは補い切れない可能性が浮上しています。

上位ノード集中が招く分散化への懸念

StakingRewardsによると、上位5ノード運営者が総ステーク量の32 %を占有しているのが現状です。
ノード寡占が進むと、ガバナンス投票が少数企業へ偏在し、ネットワーク変更の公平性を損なう恐れがあります。

たとえば、ハードフォーク提案の承認・拒否を一握りの事業者が握る構図は、ブロックチェーンが本来掲げる「検閲耐性」の根幹を揺るがしかねません。

こうした中央集権化の芽を摘むには、

  • 個人バリデーターのコスト低減(前述Verkle treeの効用)
  • ②委任プールの上限設定
  • ③ガバナンス投票の重みづけ見直し

など複数施策を並行し、負荷を分散させる必要があります。

開発コミュニティでは「分散バリデータープロトコル(DVT)」導入が議論されており、将来的には1台のノード障害が投票権全体に影響しないマルチシグ構造が標準化する可能性が高まっています。

投資家の立場からは、バリデーターデータを定期モニタリングし、寡占度が高まる兆しをポートフォリオ調整のシグナルとして使う姿勢が求められるでしょう。

イーサリアムの今後についてよくある質問

イーサリアムの今後についてよくある質問をまとめました。

イーサリアムの今後についてよくある質問
  • 機関投資家の参入は価格にどう影響する?
  • 初心者のイーサリアム投資戦略のおすすめは?
  • イーサリアムのアップデート状況は?

機関投資家の参入は価格にどう影響する?

機関資金は流動性とボラティリティを同時に増幅する二面性を持ちます。

ETF経由での現物需要が増える一方、先物・オプション市場を通じたヘッジ売りも拡大します。そのため「機関投資家=常に上昇要因」とは限りません。

実際、建玉増とともにスキュー(リスクリバーサル)を計測すると、プット需要が一定割合を占める傾向があります。長期的には流動性厚みがプライスフロアを引き上げ、短期的にはオプション満期日に向けた波乱を伴う、それが機関マネーの典型的な影響パターンです。

初心者のイーサリアム投資戦略のおすすめは?

初心者にとって最も大切なのは「時間分散」と「リスク許容度の自己把握」です。

初心者のイーサリアム投資戦略のおすすめ
  • 積立投資(ドルコスト平均法)で購入タイミングを機械的に分散
  • 預け入れ過多を避けるため、総資産の5–10 %上限を目安にポジション設定
  • L2利用で手数料を最適化し、少額取引でもコスト負担を抑制

特に手数料は運用成績を左右する隠れコストなので、L2ウォレットを早めに使い慣れておくと良いでしょう。

イーサリアムのアップデート状況は?

2025年6月現在、EIP-7702(アカウント抽象化拡張)がコア開発会議で承認済みで、年内メインネット実装が見込まれています。

並行してVerkle tree移行のプレ・テストネットが稼働し、Danksharding向けのデータ可用性サンプル実装も進行中です。アップデートは段階的に適用されるため、直近のマイルストーンを以下に箇条書きで整理します。

アップデート予定の主要チェックポイント
  • 2025第3四半期:Proto-Danksharding最適化パッチ
  • 2025年第4四半期:EIP-7702本番リリース、およびDVT試験運用開始
  • 2026年上半期:Verkle treeメインネット統合(想定)

公式ブログやEthereum Magiciansフォーラムを定期的にウォッチすると、最新ロードマップを把握しやすくなります。

イーサリアムとビットコインならどっちを買うべき?

イーサリアムとビットコインのどっちを買うべきかは、目指している投資戦略によって変わります。

イーサリアムとビットコインならどっちを買うべき?
  • 長期投資で低リスク戦略:ビットコイン投資
  • 長期投資で高リスク戦略:イーサリアム投資

戦略の詳細は以下の記事で解説しています。

ビットコインとイーサリアムどっちを買うべき?初心者向けの投資方法を解説

イーサリアムの今後-まとめ

イーサリアムは「オワコン」と揶揄されつつも、L2拡張・実世界資産トークン化・ノード最適化といった技術革新が同時多発的に進んでいます。

短期的にはMACDが警告するような反落リスクがあり、暴落時の資金管理も欠かせません。
一方で、オンチェーン指標が示す割安感、機関投資家による流動性供給、そしてエコシステムの拡張性が長期的な上昇ドライバーとなる公算は依然高いと言えます。

結局のところ、イーサリアムの評価は「技術進捗 × 需要拡大 × リスク管理」の3変数で決まります。
本記事で整理したデータと視点をもとに、市場サイクルと自己のリスク許容度をすり合わせながら、投資判断を下していただければ幸いです。

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