本記事では100万円の元本を1,000万円に到達させるための方法を、低リスク・中リスク・高リスクの3段階に分けて整理しています。
必要利回りや追加投資額を具体的に示し、想定期間別のシミュレーションも記載しました。各戦略の手順と注意点を順に確認してください。
100万円を1000万円にする方法【達成に必要な3つの要素】
100万円を1000万円にする方法の全体像を最初に解説します。
今回は元手を10倍にできれば目標が達成できるわけですが、達成できるかは「時間」「利回り」「追加投資」の掛け算で決まります。
時間を味方に付けるほど必要利回りは下がり、逆に短期集中なら高い利回りが必須です。
ここでは平均的な個人投資家が取り得る現実的なレンジを整理し、その上で具体策を段階別に示します。
複利とは、得られた運用益を再投資することで利息が利息を生む仕組みのことです。
資金100万円を元手に、最長30年・最短5年という幅で到達シナリオを想定すると、リスク許容度や努力量に応じた複数ルートが見えてきます。
年7%複利のみで33年、年10%で23年、追加投資を2万円に増やせば16年に短縮されるなど、数字を押さえておくと戦略選択が容易になります。
100万円を1000万円にするために必要な利回り
到達期限ごとに必要利回りを逆算すると、現実的なリターン水準が見えてきます。以下に主要ケースを示します。
以下にシミュレーション結果をまとめます
投資戦略 | 毎月積立 | 年平均利回り | 到達年数 |
---|---|---|---|
元本のみ運用 | 0円 | 5% | 46年 |
元本のみ運用 | 0円 | 7% | 33年 |
元本のみ運用 | 0円 | 10% | 23年 |
毎月2万円積立 | 2万円 | 7% | 16年 |
毎月2万円積立 | 2万円 | 10% | 13年 |
毎月5万円積立 | 5万円 | 7% | 9.5年 |
毎月5万円積立 | 5万円 | 10% | 8年 |
表は元本100万円を基準に、積立額と利回りを変化させた場合の年数を示しています。
積立ゼロでも年10%なら23年で到達しますが、年10%は長期平均としては高めで再現性が低い点に注意してください。毎月2万円を追加すれば年7%で16年、同じ7%でも5万円なら10年を切るため、追加投資の効果が大きいことがわかります。
必要利回りを把握しておくと、高リスク戦略が避けられないのか、継続的な積立で十分なのかを判断しやすくなります。
特に副業や節約で積立余力を増やすことは、リスクを大きく上げずに期間短縮できる実践的な手段です。
複利と追加投資はどっちを選ぶべき?
複利だけで10倍を狙う場合、時間というコストを支払う代わりに精神的負荷が低くなります。
一方、追加投資を併用すれば総リスクを抑えつつ期間短縮が可能です。追加投資を行わないシナリオでは、年7%で33年かかるため若年層向きの戦略と言えます。
複利効果は「雪だるま式」で後半ほど伸びが大きくなるため、早期に大きな追加投資を行うほど最終到達額が加速度的に増えます。
たとえば毎月5万円を9年半続けると、元本だけで約600万円投入する計算ですが、運用益が約400万円加わり1,000万円を突破します。
一方、追加投資額が確保できない場合は、利回りを高めるか投資期間を延ばすしかありません。
その場合でも税制優遇や低コスト化で実質利回りを底上げできるため、次章から紹介する低リスク戦術は重要です。
【低リスク】100万円を投資してほったらかしで1000万円にする方法
低リスク戦略では年6〜7%程度を目標リターンとし、資産配分とリバランスでリスクを一定に保ちます。リターンを増やすより、失敗しない仕組みを先に固めるイメージです。
- 新NISA投資
- インデックス自動積立投資
なお低リスクとは「値動きが緩やかで下落幅が比較的小さい」ことを指します。損失がゼロになるわけではない点に注意してください。
新NISA投資
新NISAとは、年間360万円までの投資に対し運用益が非課税となる制度です。非課税期間が無期限化されたため、長期複利との相性が抜群です。
まずはインデックスファンドをつみたて投資枠で毎月自動購入し、枠が余れば成長投資枠にETFや個別株を振り分けるのが基本形です。
税負担20.315%を回避できるだけで、20年後の手取りリターンが最大25%向上します。非課税枠を埋めきれない場合でも、NISA口座を優先すればコスト差以上のメリットが得られます。
新NISAでは売却後も非課税枠が復活しないので、一度購入した商品はなるべく長期保有が望ましいです。短期トレードは課税口座で行い、NISAは骨格部分に集中させると管理が楽になります。
インデックス自動積立投資
インデックス投資とは、市場全体の平均値に連動する運用を目指す手法のことです。
世界株式インデックスファンド1本で先進国から新興国まで分散できる商品も多く、初心者でも取り組みやすい点が魅力です。
以下に自動積立のポイントを箇条書きで整理します。
- 毎月同額を淡々と買い付ける
- 信託報酬0.1%未満の商品を選ぶ
- 引き落としは給料日の翌日など確実に残高がある日
自動積立は感情に左右されにくく、ドルコスト平均法が機能します。長期的に見ると高値掴みと安値恐怖売りを減らす効果があるため、リターンのブレを平準化できます。
【中リスク】100万円を1000万円に効率よくする方法
中リスク運用は「ある程度はリスクを取って効率よく資産を増やしたい」という方にお勧めの戦略です。
期待リターンは年8〜12%を目指します。積極性と分散のバランスが鍵です。
- 暗号資産レンディング
- 成長株投資+ETF投資
暗号資産レンディング
仮想通貨レンディングとは、仮想通貨を一定期間取引所や専業サービスへ貸し出し、利息(貸借料)として同じ通貨または法定通貨を受け取る運用手法です。
借主側は預かった仮想通貨を運用して増やしたり、他の事業に活用したりして収益を狙います。
そして、満期になったら貸主に元本+利息が返却されます。
利息は預けた仮想通貨で得られ、その仮想通貨を日本円へ売却することで利益が確定するという流れです。
レンディングの詳細説明やリスクなどは以下の記事で解説しているので、あわせてお読みください。
仮想通貨レンディングとは?メリットやリスク、どれだけ増えるのかを解説!
レンディングは預ける通貨や利用するサービスによって利回りが異なりますが、例えば業界最高水準の利回りを提供している貸とくは年利11%の利回りを得られます。
成長株投資+ETF投資
成長株とは、利益成長率が高く株価も高い成長期待が織り込まれた銘柄のことです。
個別株の代わりにグロースETFを活用すれば、1銘柄リスクを下げながらリターンを狙えます。
組み合わせ例として、全世界株インデックス70%+NASDAQ100ETF20%+日本高配当株10%などが挙げられます。
銘柄選定時には売上成長率やフリーキャッシュフローにも注目してください。ETFなら運用会社の費用率と純資産規模が信頼性の目安になります。
成長株の比率を上げるほどボラティリティが高まるため、リバランス頻度を短めに設定し、含み益の一部を債券ETFに移すなど守りの仕組みを併用すると安定します。
【高リスク】100万円を1000万円にする方法
高リスク戦略は、短期で大幅な資産増を狙う代わりに元本毀損のリスクが大きくなる戦略です。
期待年利は20%以上を見込めますが、マイナスに振れる可能性も同程度ある点を理解する必要があります。資金の全額ではなく、損失許容範囲内の一部資金でトライするのが鉄則です。
- 個別株・暗号資産トレード
- 不動産フリップ
- FX・自動売買
- NFT投資
個別株・暗号資産トレード
個別株と暗号資産のトレードは一発当たりの可能性は大きいですが、銘柄選択眼が成否を分ける高リスク高リターンの投資方法です。
個別株の集中投資を行う場合、PERだけでなく事業モデルの持続可能性や競合優位性を必ずチェックしてください。暗号資産はSNSでの盛り上がりや市場のトレンドなど、マクロ要素を深く理解しておく必要があります。
どちらも短期で資産が数倍になる例がある一方、半減するケースも珍しくありません。必ず余剰資金で実施し、価格が目標値に到達したら段階的に利確するルールを決めておくと生存率が上がります。
株と仮想うかはどっちが儲かるのかは、以下の記事で分析しています。
株と仮想通貨はどっちが儲かる?収益性とリスクを分析して解説!
暗号資産に投資するなら、基本的には最も価値があるとされているビットコインがおすすめです。
以下の記事でビットコインの今後を分析しているので、投資方法を知りたい方はお読みください。
ビットコイン(BTC)の今後はどうなる?2025年最新の現状・価格動向と将来性を解説
不動産フリップ
不動産フリップとは、物件を短期リフォーム後に高値で転売して利益を得る手法です。区分マンションを現金決済で仕入れ、3〜6カ月の改装後に売却する事例では粗利100〜300万円が報告されています。
ROI20%以上を目標に仕入れ判断を行うと、資金効率が高まります。
DIYを活用し改装費を抑えれば利益率が上昇しますが、素人施工で品質が落ちると逆に売却価格が下がるリスクがあります。プロへの相見積もりで適正コストを把握し、スケジュール遅延を防いでください。
出口価格と売却期間を事前シミュレーションしておくと、ローン金利や固定費を織り込んだ総合利回りを予測できます。想定より売却期間が長引くと、キャッシュフローが悪化するので注意が必要です。
FXと自動売買
FXでは国内業者は最大25倍のレバレッジが認められており、1%の逆行で証拠金の25%が吹き飛ぶ計算になります。
資金管理が最重要であり、1トレード損失を証拠金の2%以内に制限するルールが推奨されます。
自動売買はプログラムを実行して自分が考えた戦略を自動で実行してくれるもので、FXのようなトレードと相性がよいです。
ただ、プログラムと金融の両方の知識が必要になるので、投資初心者の方には難易度が高くあまりおすすめできません。
適度にリスクを取って専門知識があまりいらない増やし方をしたい方は、中リスク戦略の方がおすすめです。
NFT投資
NFTとは、代替不可能なトークンを意味し、デジタルアートやゲームアイテムの所有権証明に使われます。
NFTは売買できるマーケットが用意されており、安く買って高く売ることで差額が利益になります。現実世界でいう転売が近い稼ぎ方でしょう。
NFT投資も暗号資産トレードと同じで、SNSでの盛り上がりや市場のトレンドが重要視されます。
100万円を1000万円にする方法でよくある質問
- 利回りが足りないときはどう調整すればいい?
- 資産が大きく減ったときの対処法は?
- 投資が初めての人はどれに投資すればいい?
利回りが足りないときはどう調整すればいい?
想定利回りに届かない場合、追加投資額を増やすか期間を延ばすのが王道解です。
副業でキャッシュフローを増やし、毎月の投資額を3万円プラスするだけで到達年数を数年単位で短縮できます。利回りを無理に上げようとするとリスクが急増するためおすすめしません。
資産が大きく減ったときの対処法は?
マーケットが大きく下落したときこそ、リバランスと積立を淡々と続けることが重要です。
リバランスとは、資産配分が目標からずれたときに売買で元に戻す作業です。
たとえば株70%債券30%を目標にしている場合、株が上がって80%になれば一部を売却して比率を調整します。
下落局面で追加購入すれば平均取得単価が下がり、回復時のリターンが拡大します。ただし高レバレッジ商品や集中投資の損失は回復に時間がかかるため、リスク資産の比率は常に確認してください。
投資が初めての人はどれに投資すればいい?
投資経験がない方は、まず低コストの全世界株式インデックスファンドが取り組みやすいです。積立NISAの非課税枠を使い、毎月一定額を自動積立するだけで先進国から新興国まで幅広く分散できます。
増やすペースが積立NISAだけでは遅いと感じる人は、暗号資産レンディングやETFなど、リスクを少し取って運用益を増やしていくのもよいでしょう。